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彼女が好きなものはのdarumaのレビュー・感想・評価

彼女が好きなものは(2021年製作の映画)
4.5
号泣…!久々にめっちゃ泣いた。ドラマ版を観ていたのに、まさかの!!展開を知っているのにギャン泣きって凄くないですか…山田杏奈、最高すぎる。

原作未読ですが、ドラマ版が結構好きでした。
観始めはやっぱり比較してしまい、純は確かに神尾楓珠くんのほうが合ってるような…(美形のイメージが似合う役なので。単に神尾くん贔屓ともいう、笑)でも紗枝は藤野涼子ちゃんの印象が強すぎて、山田杏奈ちゃんはそれこそ、ちょっと可愛すぎないか…?と思いました。普通っぽさが無いというか(容姿が勝ち組すぎる、笑)。でも!だんだん「これは陰と陽で言ったら陽のバージョンの紗枝なんだ」と思えてきて。彼女のハイライトのシーンではもうもう!完全に感情移入してました。

人を、人として好きっていうの、とてもいい。

細かいところは憶えて無くて、ラスト、そうだったっけ!?とビックリ。(もしかしてドラマと違った…?同じだったかな?)
エンドロールで磯村勇斗くんの名前が!!
どこに!?と思いましたが、もうあの人しか居ないですよね…
(後で確認したら合ってました)

あと、三浦透子ちゃんが出てきて、そうだった!と思った。
(それで本作の存在を知って、当時観たいと思ったんだった。あと神尾楓珠くん見たさ)
ねえさんの役だった^^

誠さんも最初はちょっとうーん…と思ってしまったけど(これもドラマの谷原章介さんの印象が強すぎて)、これもドラマにあったのだったか?ちょっと忘れてしまったのですが、誠さんは誠さんで苦しんでいる、そのシーンが非常に説得力があってよかったです。

あと、お母さんが安藤玉恵さん→山口紗弥加さんで、かなりおきゃんな感じ(言い方古っ!笑)になっていましたが、これも悪くなかったと思います。

前田旺志郎くんは相変わらず、めちゃくちゃうまいなぁ…!
スイカの話でも泣きそうになった。
とってもいい役です。

教室で同性愛について語るシーンがちょっとドキュメンタリーチックになっていて、そこもよかった。エキストラさんなのかな?凄く普通っぽい高校生の子たちが順番に発言していきます。変な言い方かもしれませんが、内容が至極真っ当(同性愛について理解している、しようとしている)で、逆にそれがまさに今の社会なんじゃないか…と思ってしまった。
唯一、小野がそれに反逆するのですが、言っている事が非常に正しい。
私自身も、頭で、言葉で理解した風な事を言っても、本当は何も理解していないのでは…グサッと来た。
そしてその小野の発言を止める教師がまさに世相を体現している。

小野の気持ちもわかる。
純は確かに卑怯だと思う。
でも純の気持ちも痛いほどわかる。
(わかると言っていいのか、小野の発言を踏まえると、ちょっと躊躇うが…)

タイトルの「彼女が好きなものは」、この後に続く言葉が原作タイトルでは「ホモであって僕ではない」という事は知っていました。
だけど!これの使い方が絶妙すぎた…
確か2回出てくるのですが、2回とも
 そういう事か!!
ってなった。
1度目と2度目で全然印象が違う。
凄くうまいと思った。

確かドラマは「ホモ」という言葉が強すぎるからだったか、かなり改題しているんですよね。「腐女子、うっかりゲイに告る。」か。
でもこれは、完全に映画の勝ちだと思う。
原作通りの内容なのか、脚本(もしくはタイトルを付けた人)の妙なのかわかりませんが、とにかく素晴らしいタイトルだと思います。

カテゴライズに意味は無くて。
志向は仕方ない。仕方ないというか、それがお互いに違う方向を向いているだけのことだから。それが違った時は、仕方ない。
良いとか悪いでは無くて。それが事実だから。
否定される必要もないし、否定する必要もない。
個を、個として尊重する、という話が私は好きなんだと思います。

今日は山田杏奈ちゃんの「山女」の公開日ですよね。
本作と同じアニモプロデュースが製作に関わっています。(配給)
これまた短尺版をNHKのドラマで観ているのですが、映画版がとても楽しみです。(上映館が遠すぎて、いつ観られるかわからないけど…苦笑)

彼女は本当に作品選びが上手い…
「小さな恋のうた」といい「ひらいて」といい、当たりが多い。
ドラマはあまり観た事が無いんだけど、いつまでも映画界のミューズで居て欲しい。
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