ぴのした

ノーカントリーのぴのしたのレビュー・感想・評価

ノーカントリー(2007年製作の映画)
3.8
伝えたいメッセージは正直よく分からなかったが、映画として純粋に面白かった。緊張感の高まっていく会話劇や、アメリカンな空気が「映画!」って感じがして好きだ。

なんと言ってもシガーのサイコっぷりが良い。あのおかっぱ頭と無表情と、独特の家畜用武器。

冒頭の殺戮シーンがショッキングだからか、中盤はシガーが実際に殺す瞬間が映ることはほぼないにも関わらず、直前の会話だけで殺したことがわかる。そのバリエーションも豊かで、会計係やニワトリのトラックのシーンはコミカルに、妻のシーンは重く苦しく描かれていて面白い。

映画のテーマとしては、タイトルの通り、老人に国はないということだろうか。

良心や古き良き価値観みたいなものがなくなって混沌としたアメリカ社会を憂う…的なことを言いたいのかもしれないが、アメリカ人ではないので正直よくわからないし、バイオレンスにばかり目がいってそこに主軸が置かれている気もあんまりしない…。

僕がずっと言っている「田舎警察が出てくるアメリカ映画だいたい面白い説」をまた一つ裏付けてくれた。