佐藤哲雄

ライダーズ・オブ・ジャスティスの佐藤哲雄のレビュー・感想・評価

2.0
マッツ・ミケルセン主演ということもあり、少しの期待を持って視聴したよ。

だが、残念ながら、テーマはバタフライ・エフェクトのみだったため、内容が実に薄い映画に仕上がっていた。

その意味においては、同じバタフライ・エフェクトをテーマとしている映画「バタフライ・エフェクト」のほうが、タイムリープまで含めて見事な筋書きで感動へと導いていることから、圧勝といったところであろうな。

それから、これは人によって意見が大きく別れるところであろうが、主人公に協力する3人の内、2人の変人たちの変人ぶりが、私は非常に見苦しかったよ。

彼ら2人ともに人格が異常すぎて笑えなかった。

唯一、数学者のオットーだけはまともな人格を持っているように見えたが、数学者の割に、やたらと空気を読み、言葉を選び、忖度して振る舞っていたところは、我々の実社会のそれとはかけ離れていると感じて違和感があったが。

と言うのも、私の知人に数学者や物理学者が何人もいるのだが、そのいずれもが、病的に空気が読めない人たちなもので、余計に違和感を覚えたのかも知れないが、それは単に私の偏見の類なのかも知れないな。

マッツ・ミケルセンのゴリマッチョ体型と、それに伴うゴツい頭蓋の坊主頭もなかなかに良かったよ。

美髯公、関雲長ばりの白髪混じりのヒゲ面も実に良かったよ。

ストーリーについて、少々受け入れ難かった点としては、数学者くんの思い込みにより、濡れ衣を着せられた人々が、主人公に滅多殺しにされていく、というところだな。

殺されてゆく人々は、そもそも犯罪者ばかりだが、彼らはその犯罪を弾劾されて殺されたわけではなく、濡れ衣により殺されてしまっていたよ。

犯罪者なのだから、どのみち殺されても致し方がない、という考え方をする人もいるであろうが、犯してもいない罪により殺されてはたまらないであろう。

何らかの理由で自分がAを殺したとして、それがなぜかBやCを殺した罪で処刑されたとすれば、実際にBやCを殺した真犯人は無罪放免となり、その罪を着せられて処刑されたことになるのでな。

この映画では、そのあたりの冤罪に対する意識が希薄だったために、強い違和感を覚えたよ。

主人公(マッツ)としては、妻を失った怒りを誰かにぶつけざるを得なかったようだが、それは根本的に人の道にもとる行為であろうと思うよ。

……この映画はネタバレせずにコメントをするのが難しいな……

まあ諦めようかね。


一点だけ、少し涙腺が緩んだ場面としては、散々に怒りをぶつけて殺戮をしてきた主人公が、妻がもういないという現実を受け入れられず、倒れ込んでのたうち回りながら、まるで子どものように泣き喚いたシーンだな。

私の身の上に同じことが起きたならば、きっと私もそうなるであろうな、と感じたよ。

と、諸々具体的な指摘や見解を述べてきたが、実は何度が途中で寝落ちしたよ。

つまらない場面が多かった。

取り分け、変人たちとの掛け合いが実につまらなかったよ。

笑えるならば良かったが、ウザくて見苦しいだけだったために、残念ながら眠気を誘われてしまった。

ゆえに、私の記憶も曖昧であり、あるいは見落としている大事なセリフや映像があったかも知れないが、それでも再度見直そうとは思えない作品だった。

そのような意味で言えば、たまたま私の肌には合わない映画だっただけなのかも知れないな。

以上だな。
佐藤哲雄

佐藤哲雄