磨

先生、私の隣に座っていただけませんか?の磨のレビュー・感想・評価

3.7
TSUTAYA発の映像クリエイターと作品企画の発掘プログラム《 TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM 》2018準グランプリ受賞作品。
TOCANA作品も最近は全作観てますが、このTCP作品は公開作品全て観ております(どんな作品があるかは下のタグからどうぞ)

漫画家夫婦の不倫物語。現実と漫画の行き来。現実の話を自身の創作物に反映させるというのは小説家をテーマにした「鳩の撃退法」とよく似た感じだが、こちらの方がわかりやすい。今作を表した”爽快・快活・健康的不倫ムービー”とは主演の一人、柄本佑の言葉らしい(笑)

ダブル不倫や不倫の復讐をテーマにしているので「この泥棒猫が!」のようなドロドロの修羅場が見せ場のドラマのようにも思えるけど、実力俳優柄本佑と黒木華にかかればそうはならないようで、適度に笑え深みもあるミステリーとラブストーリーは全く飽きさせない。
この2人に奈緒、金子大地、風吹ジュン。主要人物はほぼほぼ登場人物。決して多くはないが5人が見事に持ち味を発揮。密室劇と化した母の実家シーンはもはやソリッド・シチュエーション・ムービー(笑)
個人的に高評価したいのは女性の強さや恐ろしさを芯から感じるラスト。三者三様の恐怖…。

過去のTCP作品は企画の面白さを上回るような作品に出会えてなかったけど、これはなかなか秀逸。興味ある方には是非オススメ(不倫に興味ある方、みたいで変な言い方だな)
磨