86カラットのダイヤモンドをめぐるスナッチ(ひったくり、かっぱらい)合戦。クセのあるキャラが大量に出てきてとっ散らかった印象になりそうなところをギリギリで救っているのは編集センスのなせるワザか。
脚本から計算され尽くしたタランティーノの緻密さとはある意味真逆の、おもしろそうなネタを集めて撮ってみたけどさあどうする?という荒削りなやり方は、一歩間違えればバラバラのエピソードをつなぎ合わせただけの駄作になりかねない危うさをはらんでいるが、ごくまれにスリリングな魅力あふれる作品に結実することがある。若さゆえの勢いが生んだ奇跡的なバランスか、それともジャズ的な即興が生み出した一瞬のきらめきか。
ブラピ率いる、トレーラー暮らしで特定の住所を持たない流浪の民パイキー(ここではアイリッシュトラベラー≒ジプシーの蔑称)の結束力が全体を引き締める。あとイヌがかわいい&かわいそう。
こちらの記事が参考になる。→『スナッチ』ガイ・リッチーがハリウッドオファーを蹴って挑んだ、ポップでスピーディーな快作 |CINEMORE(シネモア) https://cinemore.jp/jp/erudition/340/article_341_p1.html
△2020/08/18 Apple TV登録。スコア4.1