ちゃこ

コーダ あいのうたのちゃこのレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
4.6
Deaf west theatre のミュージカル『春のめざめ』を思い出した。手話の美しさや、心を解放する感じが心地よくて、音楽との相性の良さに驚いた作品だった。画期的な舞台。日本でも、どうか、公演してほしい。

って、お兄ちゃん役の俳優さん、はるめざのモリッツ役じゃん!!お母さまもキャストの1人だったのね。愛する作品から映画の世界に俳優さんが羽ばたいていて、とても嬉しい。
※詳しくは「Deaf west spring awakening 」でYouTubeを検索!

手話に感化されたものの、当時は手話の勉強は速攻で挫折してしまった。
手話がある種、共通語になったらいいなと思う。手話のネイティブレベルに憧れる。でも自力では続かなくて、誰かと会話する機会もないから、なかなかそうはいかない。
手話って国によって違って、世界共通の手話もまた別にあるんだよね。

この映画でも、手話の豊かな表現に心打たれた。

ヤングケアラーの話でもある。
「社会に頼っていいんですよ。日本には制度がありますから。」って公務員の人が言ってた。

シングストリートの男の子がいたのすごい嬉しかった。頬が赤いのがとってもかわいい。歌声もすき。


副題はダサいけど、「あいのうた」のフォントはすき。懐かしいよね。

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以下、ネタバレありかも。









ルビーは手話ネイティブで、主言語がきっと手話なんだろうな。「歌うとどんな気持ちか」を表すシーンとてもよかった。歌の響きは言葉では説明できない。
試験の場面では、自分のホームといえるV先生や家族がいて、さらに手話で表現することができたから、伸び伸びと歌うことができたんだね。

コンサートの場面、私たちが何遍も聞いてきた曲を、ルビーの家族は聞くことができない。家族3人の疎外感や孤独感、理解したいと思う気持ちがとても伝わってきた。3人は周囲の人の表情を読み取って、どんな音楽なのか想像する。

お父さんがルビーの喉や胸を押さえて、一生懸命聞こうとしてたところがたまらない。知りたい、聞きたい。愛娘の才能を五感で感じたい。届いてるといいな。

ルビーが社会の孤独を感じるように、聴こえない人たちはもっと孤独に感じている。

岡田斗司夫が映画館中みんな大号泣すると言っていたのが記憶にあって、泣くと先に言われては、なんとなく我慢したくなってしまう。でもなぜだか、自然と涙が溢れてきた。

心が洗われました😌


最近は立て続けに配信で映画を見ていたから、いい作品を映画館でちゃんと見たかった。
パルコの映画館は、新しいのにレトロな雰囲気だった。足元が広々してて、座ってる人の前通るときもラクラク。スクリーンは狭いものの、それがちょうどよい。座席に傾斜はあまりなくて、スクリーンが上部に付いているから頭で見えないなんてこともなかった。

《2022:21》
ちゃこ

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