このレビューはネタバレを含みます
母と二人でルビーの産まれたときの話をするシーン
｢自分の娘も、ろう者であってほしいと願った｣という母の告白に一瞬面食らったが、一瞬でも戸惑ってしまった自分に反省した。
私は耳が聞こえないというハンディキャップを大きなマイナスであると無意識に考えていて、それを自分の娘にそうあってほしいと願うのはおかしなことだと思った訳だ。しかし、健常者とろう者との間には壁があることを自身の人生で経験している母は自分の娘と壁を隔てたくなかったと思うのは当然のことだし、納得した。
社会でのマイノリティを痛感し続けてきたからこそ、“耳が聞こえる”という家族の中でのマイノリティを娘に経験させたくなかったというのも理由だと思った。
そもそも家族たちは耳が聞こえないというのを大きなマイナスとは考えてない訳で、ろう者であってほしいという願いは彼らにとって不謹慎でも何でもない。
俳優さんたちの演技力もあるかもしれないが、彼らの手話はとてもドラマチックで一種の身体表現のように感じて、手話に興味を持った。
身振りの大きさで声の大きさも表現しているの面白い。
新しい気付きを与えてくれた作品
