洋画好きのえび

劇場版 呪術廻戦 0の洋画好きのえびのレビュー・感想・評価

劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)
4.5
怨霊リカちゃんのファンになりそう…

公開翌日に鑑賞して参りました。入場特典の効果もあるでしょうが、満員御礼の大盛況。客層も幅広く、呪術廻戦の人気っぷりを実感しました。

本作は呪術廻戦の少年ジャンプ連載開始前に、短期連載で少年ジャンプGIGAに掲載されていたものですが、本編の前日譚であり、 2年生ズの1年生時代の物語ということで、本編と繋がりのある作品ですので、本作も観た方が作品の理解が深まりますね。

ストーリーとしては、7年前に亡くなり凶悪な怨霊と化した折本里香に呪われた乙骨憂太が、折本里香の呪いを解くために、東京都立呪術高等専門学校に入学し、友人たちとともに成長していく物語with五条悟と夏油傑の因縁の友情物語といったところ。乙骨憂太は本編にて伏黒恵から「無条件に尊敬できる先輩」「特級術師」という説明しかされておらず、乙骨の人物像を知るためには本作の観賞が不可欠といった感じです。

原作は読んでいたのですが、アニメーション化された本作でより原作の解像度&理解度が深まりました。特に凄かったのは、花澤香菜さん演じる折本里香と緒方恵美さん演じる乙骨憂太でしたね。
怨霊化した折本里香、通称リカちゃんはビジュアルがおぞましく、幼い頃に好きになった相手とは言え、いつまでもリカちゃんのことを好きなままでいる乙骨に正直「?」となっていたのですが、花澤さん演じるリカちゃんを見て納得しました。怨霊化してるのに、めちゃくちゃかわいい。何だこれは。おぞましさ・怖さとかわいさが同居する演技に衝撃を受けましたね。本作を観てリカちゃんの虜になった方が大量発生しているのでは…??
そして主人公乙骨憂太を演じた緒方さんの演技はさすがでした。CMで台詞をチラチラ聞いていた時は「シンジくん…?」と思っていたのですが、映画館で聞いたら全く違いました。CMで流れてる台詞って映画本編用に録った台詞と違うやつですよね?言い方から空気感から全く違ったんですけど… オドオドしている乙骨から後半のブチギレ乙骨への変化がとても自然かつギャップがあり、これほど変化の激しい人物を違和感なく自然に演じられる緒方さんはやはり凄い方なんだなと思いました。「ぶっ殺してやる…!!」と「純愛だよ」でやられましたね… 乙骨の狂気を感じる…

あと、原作では描かれなかったオリジナルシーンも多くてとても楽しかったです。百鬼夜行in京都の高専京都組&ナナミンの戦闘シーンとか、in新宿の冥冥&イノタクの戦闘シーンとか、本編でチラッと台詞で説明があった部分が映像化されていて、しかも大迫力で見応え大でした。特にナナミン、カッコ良すぎましたね… 私はナナミン推しなので、MAPPAに足向けて寝られません…ありがとうMAPPA…
そして、原作ではよくわからん縄をペシペシしているだけのキャラだったミゲルの実力に驚きましたね。五条悟のフルボッコを受けても倒れずに反撃を入れ続けるミゲル。五条悟相手にまともに肉弾戦をかまして10分粘るミゲル。…ミゲル、お前めちゃくちゃ強いじゃん。コミックスのおまけページで「百鬼夜行のMVPはミゲル」と作者の芥見下々先生が言っていましたが、その一言からここまで膨らませるとは… 山ちゃんの演技もあり、ミゲルが原作以上にとても魅力的なキャラクターになっていました。ミゲル、クセになりそう…

アニメでもアクションシーンが凄まじかったですが、映画の大画面ではその迫力が数百倍です。アニメ&原作ファンの方には是非観賞をお勧めします。
そして、エンドロール後も席を立たれませんようご注意ください…