洋画好きのえび

死霊館のシスター 呪いの秘密の洋画好きのえびのレビュー・感想・評価

3.7
死霊館シリーズのウォーレン夫妻登場前のお話。前作『死霊館 悪魔のせいなら、無罪』はまだ観ていなかったのですが、過去作の『死霊館のシスター』さえ観ていれば全く問題ありませんでした。

ルーマニアの聖カルタ修道院での悪魔ヴァラクとの戦いから4年が経ち、ヴァラクは封印されたかに見えたものの、実はヴァラクはシスターアイリーンと共に戦った青年フレンチーに取り憑き逃亡していた。ヴァラクはフレンチーを使ってヨーロッパ全土を移動し、その過程で複数の聖職者を殺害。ヴァチカンは再びシスターアイリーンにヴァラク封印の命令を下すが、シスターアイリーンは過去のヴァラクとの戦いの恐怖に囚われ続けており、初めは命令を拒否。しかし、ヴァラクが命の恩人であるフレンチーに取り憑いて逃亡したことを知り、ヴァラク封印のために再び戦うことを決意する…

本作はシスターヴァラクの驚かせ方のバリエーションが豊かで、次はどう来る??とワクワクさせられました。さすがシスターヴァラク、我々の期待を裏切りません。煙になったり、雑誌を使ったり、壁のシミを使ったりと、前作以上に趣向を凝らした驚かせ方を披露してくれます。ただ、前作よりもおどろおどろしい空気は少なめ。『死霊館のシスター』はその不気味な空気感が恐怖を増加させましたが、本作はそういった雰囲気で驚かせるというテイストは薄れていました。舞台がフランスのボーディングスクールということなので、同じく女子校を舞台にしたサスペリアのような雰囲気を出せたらもっと恐怖感が増したのではないでしょうか。

そして、本作はヴァラクがなぜルーマニアを出てヨーロッパを移動しているのか?という謎解き要素がある点が素晴らしかった!この謎解きにはシスターアイリーンの過去も関係してくるのですが、私は謎解き要素ありのホラーが大好物なので大興奮でした。こことここが繋がるのか〜!!と気づいたときのカタルシスが堪らないんですよね。ネタバレになるので多くは語りませんが、キリスト教の知識があるとより楽しめるかも。

ところで、本作のパンフレットにはなんとシスターヴァラクへのインタビュー記事(?!)が載っています。インタビューなんでできるの??とちょっと笑ってしまいましたが、本作を楽しむための豆知識が載っていてなかなか面白かったです。