山田裕貴くんが好きなので彼目当てで観に行きましたが、神木隆之介くんに完全にやられました。ゴジラコンテンツは全世界に展開されますから、これから世界が神木くんを知るわけですね。きっと世界中で彼のファンが増えると思います。それぐらい彼の演技は素晴らしかった！！！！
本作は戦後直後、GHQの占領下の日本にゴジラが上陸し、破壊のかぎりを尽くすというストーリー…なのですが、この作品のメインはゴジラではないと思うのです。
戦後、敗戦国として何もなくなり文字通り「ゼロ」になった日本がなんとか立ち直りかけていた時、再びゴジラが日本をゼロ、いやマイナスの状況にしてしまうかもしれない。敗戦国であるが故に武装解除され自前の軍隊を持たない日本は、過去のゴジラ作品のように自衛隊がゴジラと戦ってくれるわけでもない。そんな時、日本の人々はどうするのか。そのヒューマンドラマを描くことに主眼を置いた作品だと感じました。
政治的な要素を入れようと思えばもっと入れられたと思いますが、あくまでもそのような描き方はせず、市井の日本人が自身の大切なもののために何をするのかという点に振り切った描き方にしたのは英断だったと思います。ここまで心を動かすゴジラって過去にあったっけ？？？と思うくらい、脚本が素晴らしかったです。
また、俳優陣の演技が素晴らしく、ゴジラでこんなに泣かされるとは思いませんでした。神木隆之介くんは子役の頃から見ていましたが、コメディタッチな作品や役柄しか見ていなかったので、こんなにシリアスな演技が上手いとは知りませんでした。特に目の演技や表情が素晴らしかった。ぜひ海外の皆さんにも神木くんの演技を見てもらいたい。きっと彼の演技は海外の方にも響くはずです。
そして、敷島の隣人を演じた安藤サクラさんも素晴らしかった。彼女が素晴らしい俳優であることは周知の事実ですが、彼女だけ纏っている空気感が違うような気がします。本当にこの人が存在しているっていう説得力があるとでも言うんでしょうか…
あのラストということは、続きあるんですよね？？この世界線のゴジラをもっと観てみたい。そう思わせる作品でした。
