夫に惨殺され怨霊と化した女性、伽耶子とその息子、俊雄が自分達の住んでいた家に来たり関わった人々を次々に呪い殺していくJホラーの代表作とされるシリーズの2作目にして事実上の完結編
前作までと同様にオムニバスの様にパート分けがされている構造はそのままで時系列が若干ばらけてはいるものの今作は登場人物も絞られていて相互関係も分かりやすく話の軸がちゃんとしている為にかなり観やすかった
そして前作までと同様に恐怖演出もしっかり練られており特に朋香と彼氏の殺されるパートでは伏線の張り方が秀逸だった
他にはコピー機からの出現なども面白かったし京子の出産時に股ぐらから這い出てくる場面も凄かった
結局、伽椰子と俊雄は何を目的として人々を呪い殺し続けているのかは明かされなかった点は残念だが想像に委ねているという事なのだろう
家族で幸せに生きていきたかったのに夫に惨殺されてしまい自分達には叶わなかった幸せな生活をおくる者を無差別に憎んでいる、というのが妥当な線かな…
シリーズの中では一番今作がちゃんと怖くて良かった
一方で伽椰子が異形化し過ぎていて漫画の「富江」の様になってしまっていたのは非業の死を遂げた怨霊の描き方として残念
そうするならばそうなってしまった事の悲哀を描いてくれればもっと良かったんじゃないかと
まだ有名なJホラー作品で観られてない物は数多くあるがやはり同じくらい知名度の高い「リング」や「仄暗い水の底から」等と比べてしまうと本シリーズは見劣りする部分がある
もっと「観なけりゃ良かった…」となる様な凄まじいホラー作品に出会いたい(現時点では「コンジアム」はそうだった)