DelayMan

サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)のDelayManのレビュー・感想・評価

3.5
1969年 ウッドストックと同じ年にニューヨークで開催され、ブラックミュージックのスターが集結したハーレムカルチュラルフェスティバル
50年間封印されていた映像をThe RootsやD'AngeloのドラムでおなじみのQuestloveが監督となり映画化
当時のフェスの映像を当時の参加アーティストと実際に会場に居合わせた観客のインタビューを軸にしたドキュメンタリー

自分はこのフェスの存在を知らなかった
当時の黒人問題やアメリカ文化なども絡めて描かれている

ブラックミュージックのレジェンドが集結する中で特に印象的だったのがSly&The Family Stone
観客が前に詰め掛け、客席もステージ上も唸りのようなグルーヴ
同じ年のウッドストックにも出演しており、まさにバンドの全盛期とも言えるエネルギーの漲ったパフォーマンス

6歳の時に会場に行ったという観客の会場の匂いや光景を鮮明に覚えている、当時の映像を50年ぶりに観て自分がイカれた訳じゃなくて実際にあったんだという旨の話を涙ながらにしていたのがとても印象に残った
どの時代もその人にとっての原体験みたいなものは一生残るんだと凄く感銘を受けるシーンだった
このフェスも当時の時代背景による暴動を抑えるために行われたのではないかということもあり、今の時代と重ねてもエンタメの重要性を改めて感じされられた

Questloveがこの映画の話を受ける20年前に日本にツアーで来た時に訪れたソウルトレインカフェという店で何気なく観ていたのがこのフェスのSlyの映像だった という話には驚いた

ライブ映像としては良かったが、ドキュメンタリー映画として考えるといまひとつだったようにも思えた
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