ツクヨミ

サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)のツクヨミのレビュー・感想・評価

3.5
黒人たちが熱狂した伝説のライブが甦る。
1969年夏アメリカ・ハーレム地区で行われた"ハーレム・カルチュラル・フェスティバル"は当時の黒人たちを熱狂させたが撮られた映像は50年間も埋もれていた。その映像が今露わになる…
黒人ソウルミュージックフェスのライブドキュメンタリー。今作は溢れ出る情熱が眩しいライブと当時の黒人社会を織り交ぜた形式で黒人問題を描いていました。当時の黒人情勢は1960年代立て続けに続いた黒人活動家や黒人支援をした政治家の暗殺のせいで、暴徒事件が多発。そんな状況で行われたフェスティバルは彼らの溢れるエネルギーの発散場所とも言える。1969年と言えば世界的には人間が初めて月に降り立った年、しかしそんなことは黒人たちにはどうでもいいこと…それは白人の偉業なのだから。
ライブパフォーマンスとしてはスティーヴィーワンダーなど有名な黒人アーティストが勢揃い。しかしアーティストたちに共通しているのは黒人がメンバーにいるだけで、ジャンルもメンバー構成も伝える内容もみんな違っているのが面白い。まさに多様なアメリカ社会を表しているようなライブだったとも言える。
ライブとしても楽しめるし、社会派ドキュメンタリーの側面も強い作品でした。
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