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ベネデッタのbowcatのレビュー・感想・評価

ベネデッタ(2021年製作の映画)
4.3
イエスに選ばれし者か?
それとも虚栄の悪魔か?

17世紀イタリアの地方都市ペシア
その地に生まれたベネデッタは
幼い頃からマリアを崇拝し
ペシアのテアティノ修道院に入る
信じるものは救われる?
いや信じ込みすぎると危険なことに

そして時は過ぎベネデッタも成人
修道院にひとりの少女が逃げ込んできた
父親の暴力から逃げてきたバルトロメア
ベネデッタは一目で気に入り同室にもなり
ふたりは人に言えぬ関係へとなっていく

その頃からベネデッタには幻想が見え始め
時にはイエスがそなたを妻にと言い
時にはイエスのように磔にさせられる
苦しみから目が覚めると手と足にクギ跡
聖痕を見てひざまずく者たち
司祭などはこれでペシアが賑わうと、これ幸い
果たして良いことばかりなのか…

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さすがヴァーホーヴェン、エロい😆
ベネデッタとバルトロメアが美しい
それも潔く美しい

そして腐敗していたキリスト教会⛪️
17世紀と言えば大航海時代
すでに教会の力は衰え始め
人々の心が科学に移ろうとしていた頃
ペストの大流行で人々は恐れ苦しんでいた
そこに現れた聖女ベネデッタ
これは地域とキリスト教にとって活性となる

ベネデッタのしていたことは偽りであったかも
しかしそれは信仰心から生まれた幻想であって
私利私欲にまみれた司教や教皇大使に
それを裁く資格があったのだろうか?

修道院では男色も多々あっただろう
女性同士だから火炙りとはいかがなものか?

時代背景と人間の弱さ醜さがよく描かれていた
彼女は魔女ではなく純粋な聖徒だった
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