HomareKarusawa

シンデレラのHomareKarusawaのレビュー・感想・評価

シンデレラ(2021年製作の映画)
3.0
賛否バッキリ分かれている評判を聞き、良かった探しをするつもりで鑑賞しました。
次のポイントはあらかじめ知ったうえで観ました。
・家事労働するのは姉たちや継母。あまりいじめない。姉たちの足の指やかかとは切らない。
・主人公は地下室で趣味の洋裁デザインに没頭、結婚より自分の店を持つのが夢。
・楽器を破壊するシーンの意味がわからない。
・王子、王様は伝統の束縛から解放される流れ。

良かったポイント
・カミラ、かわいいしセクシー。
・ミュージカルシーンは基本楽しい。
・舞踏会のシーンが珍妙で面白かった。スキンヘッド姫とか。
・楽器破壊やっぱり分からん。インパクトはある。
・王子の妹は敵になるかと思ったら意識高い系KYだった。
・前しっぽ。
・王子がピアノ弾くと思ったら省略表現w
・継母の恨み言ロックから全女性の怒りへの転換。ここは上手い!
・王子の妹も報われる。
・主人公はエラだシンデレラ言うなとコンセプトをしっかり説明。
・キモがられる役を好演したトーマス役の人、お疲れ様でした!

観終わっての感想。
自分らしく生きられないことに生き辛さを感じている方には、勇気づけてくれる作品です。
登場人物の各々のサブストーリーはきちんと解決をつける完成度の高さはあります。最終的には誰もが好ましげな人物に落ち着きます。

批判的に見れば、
映画とは人生のどん底にいる人が懸命に生きようとする様を描くものだ、という考えに立てば、否定的な評価もさもありなんと思います。
主人公エラはそこそこ恵まれた境遇にいるように見えます。そんな彼女が結局は何かを代償にしないままに愛を獲得し夢を実現します。
作品内で主人公の苦しみを強く描かないので、観た人自身の生き辛さを主人公に投影できるかどうかが評価の分かれ目になるのかもしれません。

エラが裁縫の技能で家計を助けている様子がないのは、無職モラトリアムのまま肯定されるべきという思想なのでしょう。もし現実で自分の身内がそういう人だったら、本当にそれで大丈夫? と心配になりそうです。
エラに感情移入できない人の中には、「調子こいたフリーライダーが肯定される物語」として、怒りを持ってこの映画を叩く人がいるのでしょう。
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