磨

長崎の郵便配達の磨のレビュー・感想・評価

長崎の郵便配達(2021年製作の映画)
3.5
映画「ローマの休日」のモチーフになったとされる、英国の元空軍大佐・ピーター・ダウンゼンドが残した小説を基にしたドキュメンタリー。

その小説とは、16歳で郵便配達中に被曝し大怪我を負いながら、生涯をかけて世界に核廃絶を訴えかけた谷口稜曄(すみてる)さんを取材し、本にしたもの。

彼の娘イザベルが案内役となり、父のボイスメモを頼りに、谷口さんの家族や当時の通訳などの話を聞いてまわり、彼と谷口さんの足跡を辿る。

次から次へと思ったよりも淡々と進んでいくドキュメンタリーだけど、本物の娘さんが進行をしてるだけに、それが却ってリアリティを感じさせる。
あるシーンで彼女が涙を流すシーンは、作り物とはハッキリ違いやはりグッとくるものがある。

内容は異なるが、昨日レビューの「ファイナル アカウント/第三帝国最後の証言」と同様、戦争時代(第二次世界大戦)の証言をできる方が年々少なくなっている。
息子・孫世代でもかなり過去のものとされつつあるのに、次世代にどう伝えていくのか…絶対に風化させないようにしなくちゃいけないと思う。
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