原作は児童文学作家ドクター・スースの「いじわるグリンチのクリスマス」
アンソニーホプキンスのナレーションが良い。
落ち着きある一定のトーンで淡々とナレーションしながら、要所要所で抑揚をつける語り口がさすが演劇人という感じ。
グリンチを演じるジム・キャリーは特殊メイクごしでありながら、顔芸の才能が存分に発揮されている。
さらにテンションが上がったり下がったり、喜んだり悲しんだりすねたり、感情の起伏に伴う激しい動きもキレがあって、あの衣装であのアクションは流石というしかない。
架空の世界に住む架空の人々のお話なので、街のセットや衣装、小道具などファンタジー感に溢れていて、特にクリスマスならではのイルミネーションに輝く夜景はキラキラと美しい。
クリスティーン・バランスキーさん、「マンマ・ミーア」シリーズで一人だけ踊りと歌のプロがいる!と感じて目立っていただけのことはあり、本作でも身のこなしや表情の作り方に舞台映えするプロの力量が出ていて輝いている。
先日クリスマスに何か~と彷徨い全く違う方向の「グレムリン」を選んで変なスイッチが入っただけに、こちらはクリスマスにぴったりな間違いない心温まる余韻の残る素敵な空想の世界を堪能。