えいがうるふ

わたしは最悪。のえいがうるふのレビュー・感想・評価

わたしは最悪。(2021年製作の映画)
3.8
うん、まあ実際、最悪ってほどでもないけれど。
最高じゃなければ最悪なら、最悪なのかもね。

最初から全部持ってるのに、いや、持っているからこそ何も取捨選択できなくて、どこまでいっても結局人生に満足できない残念な女性の話に思えた。
映像は凝っていて面白いしとても綺麗で観ていて楽しいけれど、なんだか話がとっ散らかっていて長く感じた。少なくとも、主人公に共感できる点が少しでもあればよかったのだが・・。

主人公と同年代で同じように見た目も悪くない仕事もできるし何かと能力高い、でも自分の人生にも恋人にも満足できずアラフォー前にそこはかとなく焦燥感が漂う独身女性、そんな実例を割と身近に何人も知っているので、日本と遠く離れた北欧の都市が舞台なのにあまり違和感を感じなかった。ある意味かなりリアル。社会が豊かに「整う」ほど少子化がどんどん進むような国ではどこも似たような状況が広がっているのでは。

それでも、エンドロールに流れるアート・ガーファンクルの「三月の雨」に全部持っていかれた。
上手いなぁ。そしてずるいなぁ・・
主人公にめっちゃ共感出来ちゃうタイプの女性なら、このおしゃれなエンディングにあっさりごまかされ、もとい、癒やされちゃうのではないか。
そういうとこだよ!と、心のなかで呟いてみたり。