NORA

モガディシュ 脱出までの14日間のNORAのレビュー・感想・評価

4.9
ソマリア内戦に遭遇し連絡手段を絶たれた韓国と北朝鮮の大使館が、協力して脱出を目指すという実話ベースの政治サスペンス。話自体もかなりアツい展開で面白いのだが、食卓を囲むシーンの役者たちの細やかな所作、後半のカーチェイスの撮り方の上手さ、そして少年兵の無邪気かつえげつない描写など、リュ・スンワン監督の丁寧な演出が全編にわたって冴え渡り、映画としてきわめて高いレベルに至っている。韓国映画にしては扇動的な描写は抑え目ながら、画面から伝わる熱情は実にエモーショナルで、エンタメ作品としての完成度もすこぶる高い。いやホント、映画に限らず創作に携わる人間は、こういうウェルメイドな作品を何度も見て己の糧とするべきですよ。リュ・スンワンの相変わらずのレベルの高さに唸る今年ベスト候補。
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