ここう

グッバイ、ドン・グリーズ!のここうのレビュー・感想・評価

2.9
感情が飲み込めずに二回観た。二回目は咀嚼出来てるからスッと観れた。それじゃあダメだろ。

『宇宙より遠い場所』のいしづかあつこを筆頭に、同映画のスタッフが集まって作った青春映画。そりゃ観るわ、観るでしょ。と思ったものの、公開前数ヶ月からプロモの打ち方がすごい『よりもい頼み』になってて、メッチャ不安に。でもまあ、期待したんだし、観よう、観た。

悪くなかった。そう『悪くなかった』なのだ。うーん、ハードルが高過ぎたか。それでも二回目観た。なんで?理由は後で語る。

一回目の感想は『急だな』。そう、全てとは言わないけど、登場人物の挫折とか鬱積した感情の吐露をするシーンが『急に来る』のだ。彼らの抱えてる『なにか』や、その解決(または折り合いの付け方)はとても良く、共感できるものなのに、そのシーンが『え?お前そんな奴だったっけ?』または『そんな仲良かったっけ?』。とかそういう感じ。手順がすっ飛んで『エモイよね話』に行く。惜しい。

じゃあなんで二回も見に行ったの?というと、オチが良かったのだ。あまりにその落とし方が良くてもう一度映画館に足を運んだのだ。一回目は真っ暗闇の中でどこに向かうかも判らぬ物語を観た。二回目は既に知ったあの景色に突き進む物語を観に行ったのだ。

二回観ると、いくつかのシーンについて、その意味を自分が汲み取れていなかった事を知る。それをふまえると、一回目では『急にくる』シーンも納得ができる(既に知っているからかもしれない
)。一度目に感じた困惑は無く、納得して映画館を後にした。

でもそれじゃあダメだろ。

僕は同じ感想を『竜とそばかすの姫』にも持った。ひょっとして、これがふつうなのか?これが今の若者の『速度』なんだろうか。僕が若者に着いていけなくなっただけなんだろうか。ならばそれでいいのだけれど。

なんかネガティブな感じで感想を終えたくないので改めて書くけど、悲しい話でもありながら、どこか希望のもてる落とし方はとても好きです。あと、男の子の友情って、すきなんですよ。
ここう

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