変化の無い日々の変化を楽しむ男を描いた、不思議と退屈の無い映画。
時間が空いたので映画を観ようと思った。Fillmarkをチェックしたが冬休み。あるのはアニメ・ファミリー映画ばかり。悩み悩んで、普段なら絶対観ない『perfectdays』を観た。普段のルーチンには無い行動として『変わらない日々』を観る事には一興あるなと思ったのだ。
この映画は日本の話だが海外の監督が撮っていて、なんかのconvention？の賞を撮ったらしい。ぐらいの知識。『映画好き』を自称し始めの人がつまらない語彙で語りそう。たぶん眠い。まあ、つまらなくてもその事実がいとおかしと思った。
ところが映画が始まると僕はずっと画面に引き込まれっぱなしだった。なんだ？なんでだ？全く言語化できない。画は確かに良い。平山の表情や木漏れ日、日常を切り取ったそれは、『息をのむ』事はないがストンと心に落ちる。でもそれだけだ。物語はバラバラに進み、しかも大きな出来事は起きない。物事を大きく見せる過剰な演出も無い。膝を打つようなシーケンスも無い。
それでも、変わらない日々の変化に目を凝らして生きる、変化に翻弄されながら淡々と過ごす主人公の姿は心をうつ。なんだか、映画の楽しみ方をもう一つ教えて貰ったような気分だった。なんて。『映画好き』を自称し始めの人以下の語彙でしか語れないけど、とても楽しい時間を過ごした。
関係ないけど、映画が映画だからか高齢の方が多く、隣でずっとコンビニのおにぎり食べてたおじいちゃんや、やや遠くから聞こえる小さないびきも、不思議に許せちゃう様な不思議な映画でした。
