｢ 自分は違うんだ ｣
｢ あんなやつと一緒であるはずがない ｣
でも、まさか自分が、同じ一面を持っていたなんて⋯
結局どれだけ時間が経っても、呪縛である “根源” から逃れることは出来ないのかもしれない。
私達は俯瞰で見ているため、本心ではないこと。そして 少しずつズレが生じていることは分かるし、
｢ もっと真剣に、心奥や深淵と向き合って！｣ とか ｢ 叫びに気が付いて！｣ などと思えるけれど、実際にこの映画の中の人物達のように当事者であったならば、そのようなことに気を回し、完璧に振るまう自信はない。
ローラ･ダーンが美しく
ヒュー･ジャックマンも素晴らしい！
また、息子役のゼン･マクグラス君も、とても良かったと思います。
この作品が好きなのか、そう断言してもいいのか、正直なところ よくわからない。
ただ、大いに賛否が別れそうな演出が終盤にありましたが、冷たく突き放すような、淡い期待を持たせるかのような、どこか不安定で、狐に抓まれたかのような感覚に陥れるその振り幅も、感情を左右されて良かったと私は思いました。
恐るべき フロリアン･ゼレール監督。
見ていて苦しかったけれど、心に深く深く刻みこまれる作品でした。
今後も期待したいと思います。
