知

流浪の月の知のネタバレレビュー・内容・結末

流浪の月(2022年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

映画鑑賞後すぐにレビューを書きたかったのだが、全く筆が進まず、1人考え込んでしまった。

傍から見たら「誘拐犯」と「被害女児」。だが、2人には誰にも言えないコンプレックス(こんな簡単な言葉で表現してはいけないのだろうが…)があり、それを唯一打ち明けられた相手が文と更紗で。
人は誰しもが幸せになるべきなのに、幸せになろうとすると「誘拐犯」と「被害女児」という目が睨みつける。けど、2人で居ることが文と更紗の幸せ。
2人の幸せは正直周囲には無関係のはずで、放っておけば良いのに、ネットやら噂やらで邪魔してくる。だから文と更紗は2人だけで幸せになるために、誰にも見つからない場所へ消えなければならない…。

「横浜流星が嫌いになる」と話題の役だったため楽しみにしていたが、ハードルを上げすぎてしまったのか、思ったより嫌な役では無いなと思った。
幼少期の更紗を演じた白鳥玉季ちゃん。他作品でもよくお見かけする、将来有望な女優さん。本作品では、更紗という1人の女性を、白鳥玉季から広瀬すずへと演じ流れる中で、面影が似すぎて本当に1人なのでは無いかと思ってしまった。美しい。

この映画の「音」が本当に綺麗だと思った。雨粒が落ちる音…スプーンが歯に当たる音…木の軋む音…。些細な音を、繊細で美しく鑑賞者に届けているように思えた。
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