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ミラベルと魔法だらけの家のHicKのレビュー・感想・評価

ミラベルと魔法だらけの家(2021年製作の映画)
3.8
《面白い着眼点》

【良いつかみ】
閉鎖的な空間:家。それを"生き物"にした事でアトラクション映えするようなワクワク感・賑やかさを感じて楽しかった。個性豊かな"ギフト"も面白い。

【テーマ】
今作は南米という舞台やそれにまつわる音楽、ミラベルのキャラクターデザインなどがとても新鮮で良かった。また、『家族内での私のポジション』というテーマは、よく目をつけたなぁと。共感できる人も多いと思う。周りから作り上げられた自分の価値と本当の自分が解離してしまっているという、学校や友人間、社会の中でも共通するようなテーマ。

主人公の置かれた状況・環境は新鮮味があるものの、『本当の自分』というテーマで捉えると、いつもの王道ディズニーといった印象もある。黒幕の扱いは「リメンバーミー」にも近しいものがあったかな。(悪役がいないという点では好きな作風)。

【残念な点】
ミラベルの設定が他のメンバーに比べてかなり差別化されたものだったので、なぜ特別なのか?、もしくはそれ自体に意味が無いのなら、劣等感を逆手にとったメッセージをもっと強調しても良かったと思う。

【総括】
設定や世界観には惹かれ、デザイン面や着眼点が面白い作品だった。劣等感を抱く必要は無い、それ自体が特別なんだ。と、言う事でしょうか。
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