FujiNori

沈黙のパレードのFujiNoriのレビュー・感想・評価

沈黙のパレード(2022年製作の映画)
3.9
原作既読で鑑賞。
いやぁガリレオはこの二人じゃなきゃって感じました。

福山雅治さん演じる湯川教授は原理原則、理屈を繰り返しながらも、今回は今まで以上に人間味を感じました。

「自分が通っているお店の店主に疑いがかかってるなら放っておけない。」
湯川教授は他人に干渉しない人だと思ってましたが、やさしく一面もあるんですね。またパレードで、楽しそうに写真を取る姿も印象的でした。

そして相方は柴咲コウさん。

事件を解決するために、湯川教授にも頭を下げて協力を願う姿はもちろん、湯川教授とのちょっとした会話のやりとりのテンポやいなし方が最高でした!

ただ今回の作品ばがりは北村一輝さん演じる草薙刑事に一番心当たり打たれました。

かつて自分が立件できなかった容疑者と対峙する苦悩。

その容疑者が殺され、探したくない真犯人を探さなければならない現実。

さらに薄々この事件の核心を理解しながら、直視できない気持ちなど、本当に切ないですよね、、、
できることなら知りたくなかった、でも刑事としては事実を明らかにしないていけない、、これはツライでしょう。

映画としては、原作を読んでからがいいのかなっ?と思いました。

後半怒涛の展開をしますが、多分人物の理解が一度原作を読んでいないと理解できないかもしれませんね。

しかし内容については改めて色々思うところがある作品です。

「人はなぜ沈黙をするのか。人なためなのか、いや結局自分のためなのじゃないのか。」

これについては映画を見終わってもモヤモヤしています。

この街の人々は、皆誰かのために沈黙をしたんでしょうね。そう思いたいです。
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