FujiNoriさんの映画レビュー・感想・評価

FujiNori

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私にふさわしいホテル(2024年製作の映画)

4.0

「面白い」か「面白くない」かの前に「好き」か「嫌い」かではっきり評価分かれる作品だと思う。 

ただ自分は大好き!

売れない作家からのしあがろうとする、のんちゃんのともすれば暴走する演技に最初は戸惑
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ビーキーパー(2024年製作の映画)

4.0

超ハイテンポな、クライムアクション&コメディ映画という新しいジャンルを開拓するくらいあっという間に時間が過ぎていった印象。こりゃ面白い。

もしも、養蜂場の冴えないおじさんが、社会の外にいる最強の戦士
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グランメゾン・パリ(2024年製作の映画)

3.8

料理愛に溢れた作品。
元旦からよい映画に出会えました。

とにかく制作者の料理への愛を感じ、素材を含め忠実に表現。また味わいや匂いが伝わってくるくらいリアルな演出が素晴らしかった。

「三ツ星を目指す
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密輸 1970(2023年製作の映画)

3.8

70年代のカオスな時代背景をもとに、人々の野心を含めた人間模様が上手く表現されていた。

韓国映画はこういう人の内面を隠さずに表現するのがうまい。

今回は海女をやっていた組合が、工業汚染により商売で
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モアナと伝説の海2(2024年製作の映画)

3.6

ある意味スタンダードなディズニー映画。それ以上でもそれ以下でもない。

これまでの数々のディズニー要素に、ミニオンズに似たキャラも導入し、絶対にコケないぞ!という強い意志を感じた。

ただそのためかオ
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はたらく細胞(2024年製作の映画)

3.7

ヒトの体内に着目した、教育系エンタメとして、かなり良作。

体内の赤血球(永野芽郁)と白血球(佐藤健)の話と、体外の親(阿部サダヲ)と娘(芦田愛菜)の話がリンクしていて面白かった。

対象年齢低めを意
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ソウルの春(2023年製作の映画)

4.0

歴史は勝者が作るもの。

勝てば官軍、負ければ賊軍。この映画を見た率直な感想だ。

舞台は1979年の韓国。ソウルで起きた粛軍クーデターを映画化した作品であり、政府側・反政府側の攻防がリアルにみられる
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室町無頼(2024年製作の映画)

3.7

室町時代に起きた農民一揆を蓮田兵衛という男を中心に描いた時代劇映画。

正直好き・嫌いが分かれそうな作品に感じました。

まず良い点としては、特に後半に起こる圧倒的な農民一揆のリアルさ。
何人のエキス
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サンセット・サンライズ(2025年製作の映画)

4.1

来年1月上映の作品を試写会で鑑賞。

陽キャ全快の菅田将暉と、自由奔放な宮藤官九郎の脚本が相まって、最高に面白いエンターテインメント映画でした!

舞台は東北、コロナになる直前からコロナ禍そしてコロナ
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六人の嘘つきな大学生(2024年製作の映画)

3.8

評価低いので観るのためらったが、色々面白かった。

コンゲームとしては理屈が弱いが、人間心理を垣間見るには凄く興味深かった。

物事を損得で判断するのは良くないが、この6人で誰が一番得したかを考えるの
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正体(2024年製作の映画)

3.7

脱出した死刑囚が自分の正体を隠しながら真実を解明する物語。

主役の鏑木(横浜流星)は身元を隠しながら各所に潜伏をする。そしてそこでたくさんの人に会う。

「人を好きになりました。」
あれだけの絶望を
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アット・ザ・ベンチ(2024年製作の映画)

3.9

言うなら、どこかの街の河川敷にあるような野球場で、なぜか大谷翔平や山本由伸のようなプロが全力投球をしている試合を見る感じがしました。

舞台はベンチだけ。あとは何もない。
あるのは他愛のない会話だけ。
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アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師(2024年製作の映画)

4.0

騙し騙しのコンゲーム。
ストーリーも充分に練られた良作でした。

詐欺師を主役にした作品は多くある。
大抵は天才がいて凡人がいるケース多いが今作も構成は似ている。

ニヒルなほどカッコ良い岡田将生。
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室井慎次 生き続ける者(2024年製作の映画)

3.3

作品としては、「踊る〜」というよりも、「北の国から」の続編かと思った。
ただそれは決して悪いことではない。

室井慎次が黒板五郎で、純とホタルを雪国で育てる映画と思えばしっくりくる。

過度に「踊る〜
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アイミタガイ(2024年製作の映画)

4.2

この映画には主役がいない。
皆が主役で、皆が脇役。

「アイミタガイ 相身互い」

この聞き慣れない言葉の意味は映画を見終わった時に理解ができる素敵な作品でした。
 
時系列、登場人物が最初は交互に出
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十一人の賊軍(2024年製作の映画)

3.5

本気の仁義なき時代劇映画。

表面的な表現ではなく、生々しく描写をしているため、ややグロ要素高い。

また発砲や爆発のシーンに至ってはリアルすぎて、もはや恐怖を感じた。

見終わったあと頭の中にはしば
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2度目のはなればなれ(2023年製作の映画)

4.3

最近観た映画の中でもベスト!!

映画のポスターを観た時には、老夫婦のホノボノコメディかとおもったが、その裏には「ノルマンディ上陸作戦」があり、泣けに、泣ける作品だった。

タイトルが「2度目」という
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悪魔と夜ふかし(2023年製作の映画)

3.9

ぐいぐい引き込まれ面白かった。

時は70年代のアメリカ。あるテレビショーを舞台にしたフェイクドキュメンタリー作品。

視聴率に悩まされた番組司会者はある賭けに出る。それは番組中に悪魔を呼ぶことであっ
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まる(2024年製作の映画)

3.4

んー、期待していたが「最高」とはいかなかった。

荻上監督らしく、人間の内面(特に嫌な面)を淡々と、シニカルに描写する感じは良かったが、全体として、だら~~んとした雰囲気ばかりが残ってしまった印象。
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ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ(2024年製作の映画)

3.3

ジョーカーの良さは、底しれぬ悶々としたどす黒い血が流れるギスギスさじゃないかと思う。

ミュージカル風の音楽を軸にした作風は、これはこれで素晴らしい。

でもやっぱ違うんだよなぁと思ってしまうのが正直
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シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024年製作の映画)

4.0

緊張感と緊迫感に圧倒された。

予告編を見た時には内線の軍隊同士の闘いを描くのかと思っていたが、今作は内線から一歩引いたジャーナリストの視点が中心。ただそれにより、よりリアルに戦場が描かれている。
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Cloud クラウド(2024年製作の映画)

3.7

何の映画を観ているのだろう。何度も自問自答させられた。

黒沢清監督といえば、Chimeでもそうだったが、観客を置き去りにしても先に進む作品が特徴。

今作はそこまで複雑ではないが、やっぱり序盤から不
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傲慢と善良(2024年製作の映画)

3.6

良い映画と思う一方で、やや残念な部分もあり。

婚活を舞台にした男女の恋愛事情は興味深かった。

何より作品タイトルが秀逸。
人は誰しも闇を抱えている。
言うなれば、傲慢、欺瞞、嫉妬など。

普段は大
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あの人が消えた(2024年製作の映画)

3.7

表の裏の裏の裏は裏。

普通のミステリーかと思いきや、何重に張りめぐされた「嘘のスパイラル」に巻き込まれた。

見終わって改めてタイトルの秀逸さに気がつく。なるほど、「あの人」か消えたわけだ。

舞台
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ぼくが生きてる、ふたつの世界(2024年製作の映画)

4.3

こういう作品に弱い部分もあるが、とにかくボロ泣きしてしまった。

耳の聞こえない両親が周りの反対を押し切り結婚し生まれた息子の大(吉沢亮)の物語。

小さい頃からを丁寧に描いており、最後に一部時系列が
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ぼくのお日さま(2024年製作の映画)

3.9

タクヤのこれからが気になったが、応援してるぜ!タクヤ!

フィギュアスケートを通じ、90分の上映時間に、3人のバランスは、ほんの些細なことで揃ったり、崩れたりする。

それはフィギュアの演技のようにま
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侍タイムスリッパー(2023年製作の映画)

3.9

先人の無念と現代に生きる葛藤のなかで、サムライの想い、しかと見届けましたぞ。

タイトル通り、一見よくあるタイムスリップもので、コメディ色は強いが、ストーリーにしっかりとした「軸」があるから面白かった
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スオミの話をしよう(2024年製作の映画)

3.6

面白くなくはないが、面白くはない。
そんな印象。

全体として、長澤まさみショーになってたのは否めないかな。

三谷幸喜監督の作品はコメディでありながら、何らかの教訓(想い)がある。

ラジオの時間で
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夏目アラタの結婚(2024年製作の映画)

3.8

期待以上に面白かった。

予告を見るとホラーかな?と思ったが、そこまでホラーではなく(ちょいグロ)、むしろ児童虐待を軸にした社会派の面が強かった。

軸は殺人の容疑者となった、品川ピエロ(真珠)の裁判
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ナミビアの砂漠(2024年製作の映画)

2.6

期待していたが、なんか色々とあわなかった。

作中ハヤシがポツリといった「一人相撲」という言葉がこの映画全体を表現している感じがした。

恐らくは、精神的に病んでいるカナの世界観を色々な形で表現したか
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きみの色(2024年製作の映画)

3.6

テーマは「色」
「好きな色を手にとって描いていいんだ。」
 
自分がまだ何色か分からない高校生が自分を見つける物語。

映像は綺麗だし音楽のセンスは抜群。

ただ音楽が良すぎたが、そこに辿り着くまでが
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マンガ家、堀マモル(2024年製作の映画)

4.1

想像以上に良い作品だった。
こんなにも泣けるとは思わなかった。

「想いは、はらわたが見えるくらい表現すべきだ。」

かつてマンガで新人賞をとったマモルだが、その内容はハルのアイデアであったことに悩み
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ラストマイル(2024年製作の映画)

3.7

ラストワンマイルとは、物流における「届け先との最後の接点」という意味らしい。

日本の物流量はネット販売の利便性も相まって年々増加し、まさに血液の毛細血管が体に血液を与えるかのごとく、速く正確に物を届
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Chime(2024年製作の映画)

4.1

ストーリーは全く分からなかったが、とにかく『ヤバい』ものを見た気がする。

黒沢清監督の巧妙な罠にやられまくった印象、、、

「不規則に聞こえる不快な音。」

「一点の曇りもない惨殺シーン。」

「キ
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劇場版 アナウンサーたちの戦争(2023年製作の映画)

3.8

戦争は戦場だけではなかった。

大きく括ってしまえば戦争映画。
ただこの映画は、戦時のアナウンサーに光を当てた点が他の作品とは異なる点がある。

一人の和田というアナウンサーの物語。

オリンピックの
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ぼくの家族と祖国の戦争(2023年製作の映画)

3.7

ナチスドイツ占領下のデンマークの物語。悪人なんかいない。戦争が人を変える。そう感じる映画でした。

祖国を想う気持ち。敵国を許さない気持ち。

息子セアンの気持ちの変化が、場面ごとに眼差しを通じて変わ
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