これはただのセレブの母娘の日常のドキュメンタリーなのかな?と途中思いながらも、
ジェーンの奔放さや繊細さの中にある、母として娘達への詫びや、きちんと向き合えなかったことへの後悔とか、
シャルロット自身もまた母に対する遠慮や近付き難い相容れない距離感とか、吶吶としたした口調から漏れる言葉の端々に滲み出ていました。
複雑な家庭環境で育ったシャルロットも然り、互いに昔話の中でも父への面影に縋って母との接点をなんとか繋ぎ止めようと
喘き苦しんでいるようにも見えました。
決して和やかな関係性でないちょっと張り詰めた母娘の関係性。
ジェーン・バーキンは他者や動物に全身全霊で愛を注ぐ人であったけれど、彼女と家族は幸せだったのだろうか?
奇しくもジェーン・バーキンの遺作が娘の作品であったことが母娘の救いのように感じました。