イベリー子豚

カード・カウンターのイベリー子豚のレビュー・感想・評価

カード・カウンター(2021年製作の映画)
3.7
「ラスベガスを【やっつけ】たり」
「【ぶっつぶ】したり」
「【オーシャンズ】な【イリュージョン】で」
「悪徳カジノオーナーを懲らしめる話」
「……を」
「【ポール・シュレイダー】が監督するはずがない」
「【スコセッシ】×【FOCUS FEATURES】だし」
「《初心者に向いているのはルーレットだ。
勝率は47.1。勝てば終わり。負けても……終わりだ》」
「《ブラックジャックは過去の積み重ねが未来を決定する唯一のゲーム》」
「《アイツは正しい。俺には才能があった》」
「《そうだな。お前が母親に会ったら俺も女と寝る》」
「《全て自己責任だろ》」
「脅威の静止画……じゃない!!?エンドロール」








『アクロス・ザ・スパイダーバース』に続いて
まさかの【オスカー・アイザック】ハシゴ。


奇しくも双方、
「迷える若者を正しい(闇堕ちしない)道へと誘う
頼れる兄貴分(?)」でしたね。


さて、では具体的な感想はと言うと……。


なんやねんコレ!?


重ーーーい!!短調!!暗ーーーーーい!!!!


ドストエフスキーかーーーい!!……ってな感じ。


『魂のゆくえ』でも発揮されてた
「内省的・罪と罰・非道な正義(資本主義)・クセカメラワーク」がまたもや炸裂。


ロードムービーでもあり
『時計仕掛けのオレンジ』で
【クレイジー・ジャーニー/カードギャンブル入門編】でもある。


こんな変態的仕様に
我らが【デフォー】が加わったらどうなるか?


……もう、分かるよね。


不快指数高めの
決して後味の良い物語じゃないのに
悲壮感が一切ないのも不気味すぎ。


どれだけ練習したのかは不明だけど
華麗すぎる【オスカー】の指(カード)さばきと
『モーリタニアン』なダークサイドの危うさに
目が離せなくなる奇妙な一本。