後輩のおすすめで原作読んだ上で鑑賞。原作を2時間に収めようとすると、このくらいの改編が必要だよね。
原作では和人のバックグラウンドがかなり違うのと、茉莉が死へ向き合っていくその細かな心理描写がリアルだった。その部分がだいぶ端折られているので、割と薄くなってしまった印象。
だけど、小松菜奈と坂口健太郎の美しさ、脇を固める俳優陣の素晴らしさで、一本の映画としてまとまっている。
リリーフランキーの大将の深みがすごかったな。言葉少ないけど、重みがある男になりたい。松重豊と原日出子の両親役、さすがでした。特に旅行から帰ってきた後、茉莉がお母さんの肩で泣くシーンは泣けました。あと何気に山田裕貴好きです。軽い感じなんだけど友達思いみたいな役がうまいですね。三浦透子はいろんな作品に出てるなあ。
とにかく小松菜奈が美しいのです。死に向かってやつれていってもなお、美しい。涙もきれいでした。
10年という余命としては短くも長くも、という時間で死を恐れずに過ごすことができるだろうか。絶対に怖いから、苦しくならないように、ならないように、って過ごしてしまうのは当然だと思う。それでも自分が生きた証を残そうとこの原作を遺した小坂流加さんの生き様はすごい。
命を大切にとはよくいうが、その重さは実際に死が近づかないと実感ができないものであるのが難しい。抗えない死に直面した時、最後には前向きに逝けるようなそんな人生にできたらなと思った。