回想シーンでご飯3杯いける

イノセンツの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

イノセンツ(2021年製作の映画)
3.3
ノルウェー郊外の団地を舞台に、4人の子供達が超能力に目覚める様子を描いたサイキック・ホラー。

あらすじだけ読むと「ストレンジャー・シングス」っぽいんだけど、こっちは北欧という事もあるのか、トーンは終始暗め。自閉症の少女と白斑症の少女が出会い心を通わせる中で、2人の能力に変化が訪れる事から物語が展開。一方で、更に強い能力を持つ少年は、その力を誤った方向で使い始める。

4人の子供に共通するのは、親や地域コミュニティに対する不満を持っている事。子供特有の純粋さがあるからこそ、その反抗心にブレーキを掛けるのは難しい。

サイキック・ホラーと言っても、映像的な派手さを軸にした作風ではなく、むしろその予兆でじわじわと恐怖や嫌悪感を演出する手法に特徴がある。ヨルゴス・ランティモスが手掛けた「聖なる鹿殺し」を思い起こさせる部分もあった。