「ねるねるねるねは、ねればねるほど、色が変わって……。」
\ うまいっ! /
ストーリーは、グリム童話の「ヘンゼルとグレーテル」を概ねなぞっていくような形である。
ヘンゼルとグレーテルといえば、魔女が子供をたべるお話だ。
魔女の姿は「魔女の宅急便」のキキみたいなのを想像する人がいれば、顔面みどりのぶつぶつおばさんみたいなのを想像したりと実に様々である。
本作のはじめに出てくる魔女は、クラッシックなものというよりはレディガガのようなファッショナブルさを感じる。
が、終盤のばばあ魔女の登場からはとても安心感のある姿に変わり、「これだよこれ」と誰もが頷くだろう。
似た作品に、トミー・ウィルコラ監督もジェレミー・レナー主演の「ヘンゼル&グレーテル」で魔女をこてんぱんにする作品をとったが、方向性はまるで違うために似たものを期待してはいけない。
あちらは大人のこども向け映画で、こちらは子供のおとな向けホラーといった印象だ。
ただ子供のホラーといえど、制作はサム・ライミの映画製作会社である”ゴーストハウスピクチャーズ”なので、グロシーンはないものの魔女がゲロゲロビームを発射してきたり、「そこまでこだわらなくても」といった魔女の顔のきもさにトラウマになるかもしれない。
また、そこら辺から物語は面白くなっていき、追い詰める、追い詰められるといった展開が良い。
が、その時点で映画は8割ほど進んでおり、あまりにもスロースターターであるのが大幅なマイナス評価になってしまう。
中途半端にメッセージ性がある作品なだけに、ドラマ部分に尺を割きすぎてしまったのが原因かもしれない。
それはそうと、魔女と言えば”ねるねるねるね”だ。
いかにも「イッヒッヒ」と言ってきそうなビジュアルは、魔女の中の魔女である。
そんなねるねるねるねの魔女のイメージは、あきらかに「ヘンゼルとグレーテル」の魔女を参考にしたであろう。
もしくは、にゃんたんのゲームブック「なぞなぞまほうがっせん」からとったにちがいない。