ヘビメタおやじ

死刑にいたる病のヘビメタおやじのレビュー・感想・評価

死刑にいたる病(2022年製作の映画)
3.5
2195本目。事件が陰惨過ぎて辛いです。探求部分はそれなりに面白いのですが、やはり事件を追うので気が滅入ってしまいます。登場人物も全てが鬱屈しているので、共感できる人物がいません。主人公が子供時代に面識のあった連続猟奇殺人犯から、一件だけ自分の犯行ではないから証明して犯人を探してくれと頼まれ、探索を始めるという話です。犯罪者との面会で、健常者の主人公が共振してしまったり、そんな自分に抵抗したりする姿は、やはり「羊たちの沈黙」には及びません。ただし、真相については、探索のスタートからするとかなり意表を突いたものでした。まさに「死刑にいたる病」だと、そこには納得しました。阿部サダヲさんの演技は、見事としかいえないのですが、上手すぎて予定調和を感じてしまい、却って狂気を感じにくく思ってしまったのは無い物ねだりですね。