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ある男のbowcatのレビュー・感想・評価

ある男(2022年製作の映画)
4.5
落ちたブレーカーを上げてくれた
頬にキズのある男
それが二人の出会い
物静かで真面目そうな男に
シングルマザーは心惹かれ
そして結婚、新たに子を授かるが
突然の男の事故死…
途方に暮れる家族
そこへ新たなる驚きの事実

もし顔が父親そっくりで
父親が殺人犯だったら
鏡を見るたびにそのことを
思い出したくなくても
思い出してしまうだろう

アイデンティティ
それは周りが認めてそうなるもの
顔つきや戸籍で決まるものではないのだが
主人公の男のように
最初のレッテルが自分で許せなかったら…
人として生まれたからの悲しみ

彼が誰であったにせよ
一緒に過ごした素敵な日々
それはかけがえの無いものだ
その時間、事実は揺るぎない

木を植える人と
木を切倒す人は違う
世代を越えて行われる
時間が引き継ぐ人々の営み
DNAだけじゃないんだよね
その重みを感じる

ラストは弁護士までアイデンティティを…
とにかく日本の俳優陣の層の厚さを感じた
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