しらが

さがすのしらがのネタバレレビュー・内容・結末

さがす(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

舞台は現代大阪。「300万円の懸賞金がかかった東京の連続殺人犯を見かけた」と言い残し、姿を消した父。
突如失踪した父を探す娘は、父の名を騙る連続殺人犯に遭遇する…。

「父は何らかの事件に巻き込まれたのか?」、「殺人犯は父を殺したのか?」等、色々な疑問が浮かぶ中、時系列を巻き戻して一連の事態の真相に迫る展開が素晴らしい。
コメディ的な芝居が印象的な佐藤二朗だが、シリアスな演技も良かった。娘役の伊藤蒼や殺人犯役の清水尋也の演技も印象的。ふたりとも表情というか非言語の芝居がすごい。

物語の核となる殺人犯の凶行は、座間市の連続殺人事件から着想を得ているのかな。あまり詳しくないけど、鑑賞中にふと脳裏をよぎった。

終盤、父娘の最後の卓球ラリーの場面が印象的。父が殺人に加担していることや、母の死の真相にも気づいたであろう娘の胸中は計り知れないものがあるし、実の娘に自らの行いを暴かれた父の心情はどうだろう。もしかしたらほっとしている部分もあったのかもしれない。
エンドロール直前、卓球台のネットにフォーカスしていく演出は、父と娘、ふたりの道が分かたれてしまったことを表現しているのかなと思った。
しらが

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