さがすのsacoのネタバレレビュー・内容・結末

鑑賞後、とてもブルーな気持ちになりました。

佐藤二朗は鬱陶しくて苦手な役者さんだと思っていましたが、今回は今までに見たことのない演技で見応えがありました。抜き差しならない泥沼にはまって、慌ただしく変化する智の心情を、細かく表情に映し出し好演しています。
話の根底に安楽死に関わる自殺幇助などの問題提起も含まれていて、答えの出せないデリケートな問題だと考えると、犯罪映画として簡単に面白く見ることができませんでした。
殺人鬼の話なので意味合いは違うのかもしれないけども。。。

殺人のシーンにしても、あまりにも残虐でショッキングな映像も多く、私などはちょっと引いてしまう。
韓国で高評価のポン•ジュノ監督をリスペクトしているとのことですが、納得です。私はあまり好みの監督ではない。
時系列で話の全容が徐々に明らかになっていく作りはとても巧みで面白かったです。
ただ中盤、智（佐藤二朗）の行動を追って真相が明らかになっていくあたりで、楓（伊東蒼）の姿が家の中にさえ映されず、不自然な気もしました。
楓はどの時点で、智の犯行に気がついたのか、その時の楓の精神状態や感情をもっと撮ってもらえたら、最後の卓球のシーンは更に胸に迫るものになったかもしれませんが、私は少し物足りなく思いました。
作品としては、細かい布石を打った巧みな脚本で飽きさせず最後まで見ることが出来ました。
でも、やっぱり好きな映画ではないなぁ。