「死ぬことで解放…されたりはしない」
「岬の兄妹」の片山慎三監督の最新作。姿を消した父親と、父を捜す娘の姿を描いたサスペンス。
まず佐藤二郎の演技がいつものおちゃらけじゃなく至って真面目な演技なのでその辺は安心して見れる。全体的に重く暗い話だが、娘の彼氏候補がこのシリアスな話をいくらか緩和してくれるムードメーカー的存在でそこまで気持ちがダウナー系にはならなかったかな。
指名手配中の連続殺人犯が久々のサイコパス野郎で怖かった。息をするように殺しまくり。生きた女には興奮しないとか言ってるのがああ、コイツはそういう系かとも理解はできないがそういう存在かと妙に納得したりもした。親父がそいつの言うことをホイホイ聞いたりしてるのがちょっと違和感があったが。いやまあ嫁のコトを考えればちょっとはそういうの考えたりするかもだが。
前半は娘が父親を捜すパート、後半は遡ってコトの真相に迫る構成。娘のグレ方がちょっとキツかった。ビラ配りを一緒にしてくれる先生に対してめっちゃ悪態つくし。嘘くさいとか言ってるけど、今時あんなに親身になってくれる先生いないよ。それよりも警察の無能ぶりのがやっぱり目立つわ。無能というか態度悪いというか。
話としては正直そこまで響くものは無かったな。ラストのオチは秀逸だったけど、そこに至るまでの過程がちょっとついていけなかった場面もある。やっぱり上述の親父が犯人に協力してるのがどうにも引っかかった。描写が足りなかったとも言える。まあ作品としては面白かったです。
