泣きっ面にwindows8

さがすの泣きっ面にwindows8のレビュー・感想・評価

さがす(2022年製作の映画)
4.6
⚫︎怪作オブ怪作...片山監督いかつすぎる。恐怖に怯え、不条理に笑い、悪意に目を閉ざしていたら、いつのまにか遠くに連れて行かれたような映画だった。
⚫︎物語の推進力の作り方が見事。「父親が指名手配犯と入れ替わっている」という大きなQと、いつ何をしでかすか分からないサイコパスという異物感の2つに魅せられた。
⚫︎小道具の使い方が見事。ピンポン玉は母の死、サイコパスの恐怖、父と娘の絆の全てを象徴。ビデオ通話で殺人計画を立てている時に、サイコパスが食べていたポテチは、あくまで彼にとって殺人が日常であることを象徴。マジックハンドも爆笑した。シリアスとコメディのバランスが素晴らしい。
⚫︎父が妻の首を絞めて殺そうとするも、殺せなくなった後のシーンを無音で表現したのは圧巻。あの瞬間、父の世界から音は無くなったのだ。
⚫︎「さがす」は、娘が父の本性をさがす、というテーマだと感じたが、それなら前フリがもう少しあっても良かったかも。妻がいなくなる→父が少しおかしくなる→それを日頃から心配する娘→ある日父がいなくなる...的な。