泣きっ面にwindows8

自転車泥棒の泣きっ面にwindows8のレビュー・感想・評価

自転車泥棒(1948年製作の映画)
4.3
⚫︎「昔の名作を知ってる俺カッコいいでしょ?」的下心満載で観たが、完全に撃ち抜かれた。「貧すれば鈍する」を地で行った、リアリズムの名作。
⚫︎白眉のラストシーン...父と息子に会話はない。でも確かにそこには、息子の無可逆な気持ちの変化が映っている。これほどまでに映画的な体験があろうか。そしてラストシーンを引き立たせる、父の躊躇いを表すしつこいカットバックも素晴らしかった。
⚫︎父の根源的悪意に触れてしまった息子はどうなるのか。「映画が終わった後の世界」を思わず考えてしまった。優れた映画の証左そのもの。
⚫︎自転車が自由のモチーフとして豊かに機能していた。
⚫︎シリアスな笑いも多くて好みだった。犯人を追い詰める時におしっこに行きたくなる息子、藁をも縋る思いで尋ねた占いがカスすぎたこと。