北アイルランドの紛争を子供の視点で描いていて、深刻になりすぎず優しい気持ちで寄り添って鑑賞できました。
モノクロの映像が、当時の街や人々への郷愁を醸していたと思います。
紛争で混沌とした時代にも、子供の世界は愛とユーモアに満ちていたんだなと。
祖父の言葉がいちいち胸に刺さって泣き笑い。テストの解答は乱雑に書けとか、正解が一つなら争いは起きないさとか。
厳しい状況の中でも、ちょっとしたユーモアが気持ちを強くすると思いました。
“環境にやさしい洗剤”には笑いました。
街を去る時に、女の子との別れに泣くバディにかける父親の言葉も、とても頷ける。
世界中の皆が、宗教にも人種にも諸々に差別なく生きれば平和な世の中になるのにね。
でも、そんな単純なことが実は一番難しい。
ジュディ・デンチ演じるおばあちゃんも物陰で家族を見送る時の万感の思いを秘めた顔のアップが、すごく印象に残った。
劇中にカラーで挿入される数々の映画が、懐かしくて監督の映画愛を感じました。
