同じお腹から産まれた姉妹なのに、何故こんなにも反発してしまうのか。冒頭の霧のかかった屋外シーンから全編にわたって漂う閉塞感と息苦しさ。彼女たちがいる赤い部屋は、まるで母親の子宮のようにも見えてくる。
その中でも姉のこじれ具合が半端ない。自分の奥底に隠している本心に触れられるのを恐れ拒む一方で、誰よりも人と触れ合い仲良くなることに憧れ、そんな矛盾に引き裂かれそうになる自分を嫌悪するが故に、自分の子宮を傷つけ、その血を顔に塗る。
そんな複雑な心理をお手伝いに脱がせてもらっても何重にも重ね着している白い服と、全てを剥ぎ取られて露わになる、たるんで性的魅力を感じない、だらしない裸体で残酷に描写してしまうのは流石ベルイマンだ。