左衛門

アルピニストの左衛門のレビュー・感想・評価

アルピニスト(2021年製作の映画)
3.9
ドキュメンタリー。

本作を鑑賞しながら、作家の田中慎也を思い出した。携帯電話は持たず、原稿も手書き。小説を書いて生きるならそれで十分。
本作で追いかける登山家の青年もまた同じ。山を登るのに不要なものは全部脱ぎさって置いて生きていく。自身の心や命に対して風通しのいい生き方で、何にも縛られないその眼差しは常に遠くの山々に向けられている。そんな彼の姿が、自分自身の生き方を問い直すきっかけになる人がいてもおかしくない。
命ひとつで真剣に生きるからこそ、その命が惜しくない。生きるも死ぬも、真剣さの中では大した違いなど無いのかもしれない。
そう思わせてくれる名作に3.9てん✍
左衛門

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