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機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島のHKのレビュー・感想・評価

3.5
気づいたらもうアマプラ見放題だったので鑑賞。
とりあえずファースト・ガンダム世代としては何度も観たオリジナル・キャラが最新のキレイな作画技術で観れるのは嬉しいもんです。
BGMはオリジナル曲をアレンジしたものが一部使われてましたがアレンジはいまいち。

本作は最初のTVシリーズでも独立した回と言える第15話をあらためて映画化したもの。
昔、ガンダムが総集編の映画になると聞いたとき、真っ先に外されるのがこの回だろうなと思った記憶があります。

派手なモビルスーツ戦など無い地味な回でしたが、尺が長くなった分そこは新たにジオンのザク部隊サザンクロス隊が活躍するなどして強化されています。
3D技術を駆使したモビルスーツがとてもリアルで戦闘シーンはなかなかの迫力。

ただし、モビルツーツの描写は良かったものの、サザンクロス隊の各隊員のキャラ設定は申し訳程度。もう少し各キャラそれぞれを印象付けて欲しかったと思います。
とくに紅一点の美人さんはあの扱いではもったいない。

同じことがホワイトベースの面々にも言え、せっかくキレイな作画で登場した旧キャラたちは、懐かしいだろう!と言わんばかりのもったいぶった演技がちょっと鼻についたし、セリフも皆なんか類型的。
でも考えてみると、このクサイ演技とセリフこそ昔からの特徴だった気も。
解せないのは、生身のジオン兵をガンダム(アムロ)に踏み潰させた意図。

安彦良和監督により『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の流れでリニューアルされているため、リュウがいなくてスレッガーがいたり背景や時系列がTV版とは変わっています。
富野由悠季みたいに面倒臭くなく、良くも悪くも優等生的な作品といった感じ。
『THE ORIGIN』では各キャラのうち、カイ・シデンが絵も性格もTV版と一番変わってしまいました。私はTV版のカイ・シデンのファンだったんですが。

思っていたよりも全体評価は低い気もしますが、懐かしさ補正がかかったオッサン世代だけが観るわけじゃないしこんなものかもしれません。イチゲンさん向きでもないし。
作画技術は飛躍的に進歩していましたが、内容が濃いかどうかはまた別の問題。
私もオッサンの懐かしさ補正が入って採点はこんなもんでしょうか。
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