もやし

君を愛したひとりの僕へのもやしのレビュー・感想・評価

君を愛したひとりの僕へ(2022年製作の映画)
5.0
2部作で、もう一つの方と二つで完成という映画です。
触れ込みとしては、どちらから見ても面白いですが、両方見ないと面白さが半減します、とのこと。
私は両方見ましたが、個人的には絶対こっちを後に見た方が良いと思います。こちらはあっちの補完のような形で、しかもプロローグで済ましているシーンも多く、かなり理解が難しいです。


この映画は、昔から仲の良かった中学生の(いや小学生?)男女が親の関係で実質的に兄妹になってしまい、耳をすませば的に結婚を誓い、その直後にヒロインが事故で脳死状態になってしまいます。
書いてなかったですが、この映画は並行世界系SF映画です。

主人公は何としてでもヒロインが死なない世界を作るべく脇目も振らず研究に勤しむ。主人公の人生の全てはそれに注ぎ込まれることになる。

そんなの、並行世界にシフトすりゃ簡単じゃん、と思われる方もいるかもしれませんが、それができない酷い偶然による事情がある。

あちらのレビューには書きませんでしたが、並行世界は移動すればするほど人生が乖離し、ただでさえ危険な行為。

そして主人公が必死になってやっていた研究が、タイムシフト。
過去に戻って並行世界を作り、彼女が生きていた場合の人生を歩ませる。

これは不可能とされていた行為であり、一生ものの研究にもなりかねない。



話は変わるがこの2部作にはヒロインが二人おり、もう一つの映画では普通に幸せに生きる主人公がいる。(もちろん深い事情あり)


あちらは幸福に満ち溢れている映画とは対照的に、こちらの映画は、幼少期に恋した女の子を救うというだけのための人生で、一種狂気的であり呪いのようなものに近い。
とにかく彼女が生きていさえいればそれでいい。これはもはや愛なのかどうなのかすらわからないが、この2部作のテーマとしては愛なのだろう。

そしてその側で常に彼を同僚としてサポートし続けるもう一人のヒロイン。この人の想いも愛なのか。


エンドロールと共に流れる映像に感動。
やっと、報われたのか?
もやし

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