DelayMan

ダンサー・イン・ザ・ダーク 4Kデジタルリマスター版のDelayManのレビュー・感想・評価

4.0
21年前の作品が4Kリマスター上映
中盤からラストにかけての容赦のない、救いようのない描写
ただの胸糞、鬱映画の一言では済ませられないラストに向かうにつれ緊張感がピークに近づく展開は間違いなく記憶に残る

終始暗い雰囲気の中にビョーク演じるセルマの空想の中で繰り広げられるミュージカルの描写
ビョークの全盛期とも言える圧巻の歌声と現実は絶望に近い状態なのに空想の中だけは明るい描写になんとも言えない怖さがあった
無音シーンの使い方も凄く上手いと思った

セルマに数々の悲劇が襲うが、工場で一緒に働く友人、セルマに恋する友人、女性警官、工場の上司などセルマに寄り添い支える周囲の人たちの存在がこの映画をただの悲しい映画にさせない重要なポイントに感じた

セルマの言動や行動に共感出来ないという意見は凄くわかる
それでも終盤の極限状態から107 steps〜ラストは向かう展開は映画で体験したことないような胸が苦しくなるものだった
緊張感がピークの所で終わるのも含めインパクトがかなり強い

2022年6月に国内上映権が切れるため、今回が最後の劇場上映になるらしく映画館で観ることが出来て良かったと思える作品だった
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