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オマージュのbabyのネタバレレビュー・内容・結末

オマージュ(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

映画の中の映画が繋ぐ女性監督の物語

素敵。なんだかロマンチックだった。
自分の好きなことをする
夢追い人の主人公。この肩書きでも
もちろん現実は夢のようにはいかない。
低空飛行の一定の生活が続く。
そんな彼女のファミリーは
クスッとしてしまうほどリアルで、
飾り気が全くと言っていいほどない。
彼女自身も同様に飾り気がなくて
なんだか親近感すら沸く。

そして彼女は過去の人と
今を繋ぐように自分を修復していく。
その姿に映るのは静かな情熱と
静かな映画への愛が垣間見えた。
彼女の映画の修復作業は自分自身の
修復作業のように映り、その中の
人々との出会いや、作品との
出会いが緩やかにそっと後押しを
してくれるようだった。

会場でちらほらと聞こえて来る
笑い声も心地よく、作中のフィルムの
傷みや、音まで心地よかった。
想い出のレコードでシーツを畳む3人
バラバラのフィルムを紡ぐ手
珈琲と卵とタバコ
光が差す劇場、小さな映写室
好きなシーンが沢山。

息子が読む詩もリンクして
迎えるエンドは彼女のこれからの
柔らかな光が見えた気がしました。
この作品が今年の自分の映画祭
幕開け作品で本当に良かった。
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