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奈落の翅のSWDのレビュー・感想・評価

奈落の翅(2021年製作の映画)
3.5
何だかんだ小林勇貴監督作は初見!三半規管激弱な自分はiPhone撮影の荒々しい画面に酔ってしまうことも多々…。
スケボーに熱中する若者達をテーマに、社会の抑圧やコロナ禍に顕著な過剰な自警意識を皮肉った怪作。数多の暴力描写よりも主人公がスーツを着てる場面、主人公が怒られてる場面全般が記憶に残る。

元々ストリート文化に詳しく無いのもあり「スケボーしてるだけでこんな迫害されるものなの!?」と世界観に困惑したんだけど、上映後のインタビューで、誇張じゃなく警察や民間人とトラブルになることは日常茶飯事だったって言ってて事実は小説より奇なりだなあと(その上で、路上でやらずにパークで遊んでるところにまで攻め込んでいく描写は誇張だと思うが)

実際メッセージと物語がチグハグに感じる部分も多々あって割と終盤までどう受け取っていいか悩んでたんだけど、監督自身コロナ禍で創作活動が停止して息苦しさを感じてるところにインスタでたまたまスケボーの動画を観てこれ撮りたい!ってなった(意訳)という話を舞台挨拶で聞いて、ようやく腑に落ちたというか。
とりあえず小林監督のエナジーは凄く感じたし実際ファンの方のツイート見ても特に濃度が高い作品なのは分かったので、比較としてこれを足掛かりに監督の過去作も遡ってみようと思わされた作品でした。
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