SWDさんの映画レビュー・感想・評価

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そばかす(2022年製作の映画)

4.0

自分は(おそらく)当事者では無いが、間違いなく今もなお苦しみを抱えながら生きている誰かを救うパワーを持った快作だと思った。

ああ、今話題のアロマンティック・アセクシュアルね、と知ったかぶる観客を、と
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アイカツ! 10th STORY ~未来へのSTARWAY~(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

まず第一に、シリーズの精神的支柱とも言える作曲家の楽曲が使用できないという制限の中、よくまとめ切ったなという事を拍手したい。同時に石濱翔楽曲のシリーズにおける重要性も再確認した。

10年続いたシリ
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私に天使が舞い降りた!プレシャス・フレンズ(2022年製作の映画)

4.5

観客の倫理観を揺さぶり続ける70分弱…キャラクターもお話も可愛らしいのに、新感覚の叙述ホラーを観た後のような後味が残る。
TVシリーズで目を背けてきた事実を目の当たりにさせられているような感覚。

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秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

4.0

冒頭の車内のお菓子を巡るシークエンスからグッと心を掴まれた。とにかく主演の双子姉妹が素晴らしい。
子供を子供として撮るだけで面白い。一人遊びのシーンが全部面白い。

良い意味で説明的でなくシーンが移り
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窓辺にて(2022年製作の映画)

4.5

稲垣吾郎がとんでもない俳優だということをまざまざと見せつけられ続ける2時間半。
他人を好きになれない男を通し、人は何をもって人を好きになるのか、ということを考え続ける2時間半。
好きの感情を考え続ける
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ザ・メニュー(2022年製作の映画)

4.5

近年稀に見るラストの爽快感!

SNS社会で生きる誰もがギクリとし続ける、常に居心地が悪い90分。
料理=映画を始めとしたコンテンツ、それらの創作者、消費者のメタファー。
自称マニアが付け焼き刃の知識
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ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ(2021年製作の映画)

4.0

カンバーバッチ七変化!青年期から壮年期、老年期と演じ分ける巧みさに舌を巻く。気難しい天才を演じさせたら当代において右に出るものはないと再認識。

まずルイスウェインという人物の半生や、猫が現在の地位と
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ブラックアダム(2022年製作の映画)

3.0

ドウェイン・ジョンソンがドウェイン・ジョンソンをフリにしたギャグを乱打してるだけで面白い頭空っぽにして楽しめる映画、だと思っていたのだが…?
設定が思ったより込み入ってて飲み込むのに時間がかかる。シャ
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RRR(2022年製作の映画)

4.5

3時間という長さを感じさせないほど、とは思わなかったものの、終始画面に釘付けにならざるを得ない3時間。全てのエンタメジャンルに少しの政治を加えた3時間。

アクションシーンはどこを切り取っても一枚の絵
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MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

4.5

トラウマ度でいえば2022年、いや生涯ベスト級かもしれない。
美しい田舎町を舞台に様々なハラスメントを追体験させられる"VR有害な男性"とでも言うべき描写の数々に背筋が凍る。
美しい風景の中に全裸の男
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アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

3.0

陸・空が舞台だった前作に海が加わり単純に映像面がパワーアップしたのと、やはり水表現に舌を巻く。
しかし上映時間の長さで感動が麻痺してしまい、最後には「プロットも前作の焼き直し感が強いし、結局家父長制の
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マッドゴッド(2021年製作の映画)

4.5

開いた口が塞がらないまま走り切られてしまった……
ひたすら不条理な生と死を繰り返し続ける86分の地獄巡り。
臓器、血液、排泄物など気持ち悪いものばっかり見せ続けられるのにどれもキュート。一番のお気に入
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恋のいばら(2023年製作の映画)

4.0

「同じ男を好きになってしまった女達」(そんな括りあるのか?)という関係性が大好物な自分としては思わぬ収穫!
観客がこれくらいかな?と予想するプロットのちょっとずつ上を行く展開の連続と、シームレスなジャ
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ドリーム・ホース(2020年製作の映画)

3.5

事実は小説より奇なりを地で行くストレート過ぎるほどのサクセスストーリーだけど、"高鳴り"が無い日常を過ごしている自分には不意打ちで刺さってしまった…。

あの夫婦にとっては馬を育てることが"高鳴り"だ
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あのこと(2021年製作の映画)

4.0

2023年映画初め。

主演のアナマリア・ヴァルトロメイの瑞々しいエロスをポルノ的に描き過ぎでは?と感じてしまったのは僕の目が淀みすぎているせいだろうか…
現代では祝福として扱われることが多い『妊娠〇
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激怒(2022年製作の映画)

3.5

映画に詳しいおじさんとしての高橋ヨシキではなく、一人のアートディレクターとしての高橋ヨシキの才能を改めて見せられた感じ。いい意味で邦画であんまり観ないルックと音楽の使い方だと思った。

氏の"怒り"を
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四畳半タイムマシンブルース(2022年製作の映画)

4.0

元になった戯曲も小説もTVアニメも未見で一抹の不安を抱えながら鑑賞したが、全くの杞憂だった。
ここまでどっちも損してないメディアミックスも珍しい。というか既に評価されてる舞台+既に評価されてるアニメの
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“それ”がいる森(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

とんでもなく変な映画だけど、鑑賞中笑顔になった回数だけで言えば今年上位かもしれない…!笑うのも怒るのも含めて「この映画を観た側に立てる」だけで鑑賞料金の元は取れる。公開初日に劇場に詰め掛けた相葉くんフ>>続きを読む

アバター:ジェームズ・キャメロン3Dリマスター(2022年製作の映画)

4.5

3D映画自体10年ぶりくらいにちゃんと観たので技術の進化に感動!所謂3D酔いは殆どゼロで、純粋に没入感だけが超強化されてる…完全初見だったが劇場で観て大正解。13年前にこんなもん観せられたらそりゃ大騒>>続きを読む

マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

4.0

原作未読。モロにマンガ的な感情表現や85分というコンパクトな尺が、魅力でもあり好みの分かれるところだとも思うが、全て原作の持つ繊細な空気感や的確な台詞選びを再現するためだったのかなと思うと納得できた。>>続きを読む

地下室のヘンな穴(2022年製作の映画)

3.0

「入ると時間が12時間進み身体が3日若返る穴」に翻弄される夫婦のSF…かと思いきや、そんなトンデモ設定をも吹き飛ばすおバカガジェットが唐突に出てきて苦笑。74分という尺も納得の異常な省略編集含め、不思>>続きを読む

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.0

鑑賞後は困惑の嵐だったけど、考えれば考えるほど主張の一貫性と映画愛に満ち溢れた映画。
ジョーダン・ピールの名前を見て「どうせいつものアレでしょ」と言わんばかりに人種差別モチーフを拾っていくので精一杯だ
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LOVE LIFE(2022年製作の映画)

4.5

団地映画(というジャンルがあるのかは知らないが)の新たな傑作!ここまで団地という舞台設定を活かした映画は他にない。
手話というコミュニケーションの雄弁さと、それを共有しないものをシャットダウンしてしま
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

4.0

ジャンル分けするとスリラー/ホラーになるんだろうけど……これは一体何なんだ???

アイスランドの美しい風景も、笑い飯の鳥人ならぬ「羊人」の造形(左腕が羊で右腕が人間というディテールもちゃんと新しい)
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南極料理人(2009年製作の映画)

4.5

傑作。引き算の会話劇でちゃんと爆笑ポイントが何箇所もあるの、やはりすごい…。
単純にフード映画、レアお仕事モノ映画としてのディティールも素晴らしいけど、それぞれのキャラクターがグラデーションのある多面
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ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

3.0

劇中のトンデモ日本の造形は狙ってハズしたものらしいけど、MCUですら広島の原爆批判を作中に入れたり(『エターナルズ』)アジア人の髪色に対するステレオタイプを変えようとしてる(『シャン・チー』)中で、未>>続きを読む

ONE PIECE FILM RED(2022年製作の映画)

3.5

先日ようやく原作1話を読んでみたくらいのワンピース超初心者的には誰?ってなるキャラが多すぎて、オールスターキャストの特別感、お祭り感みたいなものは感じられなかったものの、ライブシーンはどれもちゃんと面>>続きを読む

異動辞令は音楽隊!(2022年製作の映画)

3.5

内田英治監督最新作ということで鑑賞。
『ミッドナイトスワン』の邦画離れしたゴージャスなルックや寓話性はそのままに、徹底した正のエネルギーと大衆性でコーティングしたらこうなったという感じ。
ご都合主義と
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グッバイ・クルエル・ワールド(2022年製作の映画)

2.5

オマージュ元になった作品はいくつもあるんだろうけど、結局本当にやりたいのは何だったのか、全く分からなかった…。
ああいう感じの玉城ティナも、斎藤工のサイコパス演技も、暴対法以降の元ヤクザの苦悩も流石に
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さかなのこ(2022年製作の映画)

5.0

大傑作。好きを好きでい続けることの難しさと尊さについての映画。一人の好きが周囲に伝播し、それぞれの中で強化されていく過程が堪らなく愛おしい。
ただでさえ特殊な人生を一本の物語にしなければならない伝記映
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この子は邪悪(2022年製作の映画)

4.0

「家族というコミュニティの脆弱性を抉る系ホラー」(そんなジャンルあるのか?)の最新作にして新境地。仕掛け自体は勘のいい観客なら気付ける(むしろ親切すぎるくらい)と思うんだけど、ちゃんとその先にスクリー>>続きを読む

シーフォーミー(2021年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

盲目の少女がバイト先で強盗に立ち向かう、というあらすじからは予想もできない二転三転の嵐。観客の想像したシナリオをちょっとずつ越えてくるちょうど良さ。
とにかくアイデア勝ちというか、サポートアプリとFP
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ソニック・ザ・ムービー(2020年製作の映画)

3.5

良い意味でゲームファンに媚びない脚本、それでいて「お前らこれが見たかったんだろ!?」っていうサービスもてんこ盛りのまさに新時代のソニックって感じで最高だった!ジムキャリー演じるエッグマンの怪演も光る。>>続きを読む

ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ(2022年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

色々言いたいことはあるけど、テイルス(CV広橋涼)筆頭に3Dキャラクターの可愛さと豊富なゲームネタの再現で充分おつりが返ってくる!雪山でのスケボーアクション、マスターエメラルド、トルネード号、エッグマ>>続きを読む