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ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコのSWDのレビュー・感想・評価

4.0
カンバーバッチ七変化!青年期から壮年期、老年期と演じ分ける巧みさに舌を巻く。気難しい天才を演じさせたら当代において右に出るものはないと再認識。

まずルイスウェインという人物の半生や、猫が現在の地位とは違う扱いをされていた背景を知らなかったので単純に興味深く観れた。
全編を通して絵画のような統一された画角と美しい風景に目が喜ぶ。
哀しくもどこか滑稽なルイスの人生が、そのまま彼が描き出した猫達と重なる。

彼の精神の不安定さと、その変遷を実際の絵だけでなく映像として見せるパートが良かった。
猫に慣れ親しんだ僕達にとっては精神を病んでからの絵の方が奇抜で斬新に見えるのも皮肉だなとも感じた。

文字通り魂を削りながらも作品を産み出し続けなければいけない難しさと、社会から零れ落ちてしまうような人間が唯一他者と繋がる手段であるという尊さの両方を兼ね備えた創作という行為は、改めて多面的だと思わせてくれた。
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