Taka

イニシェリン島の精霊のTakaのネタバレレビュー・内容・結末

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

2023年1作目
Ver. 1: うーん…
演技やVFXや音響は素晴らしいと思うけど…
やっぱり自分はストーリー先行なんだなと。
ちょっと期待しすぎた感がある。
予告編やポスターが魅力的過ぎるのも考えものです…

Ver. 2: いや、これは盛大なアイロニーなのか?
想像力の欠落と不寛容さ、つまり不誠実さが看過される現代社会に対する強烈なアンチテーゼ?看過されるどころか、ひとを足蹴にして、やったもの勝ちの近代〜現代社会に対しての。
だとしたら味がするような気がして来た。
想像力の欠落した、行間の読めない人間は嫌い。目に見える表面的な状態だけで評価する人、コミニュティほど無価値で軽蔑に値するものはない。行き過ぎた資本主義、自由主義はやっぱり人間らしさを奪ってしまうと思う。ひとそれぞれ向き不向きがあって、それは生まれ持った能力によるものか、環境によるものか分からないけれど、それに優劣(飽くまでお金になるか否かを基準にした場合の)がつき過ぎている。
誠実さを突き通せなかったシボーンは傷を負って逃げ出し、優しさを貫いたドミニクは絶望し死を選ぶ。寛容さ、素直さに溢れたパドリックは引き摺り込まれる。プロレタリアートに哲学があっても誰にもそれを馬鹿にする資格などない。哲学に優劣などないから。哲学もなく効率だけを求める社会には本当に辟易とする。この解釈が作者の意図に合致するかは分からないし、若干右寄りな思想な気はするが、自分の中では腑に落ちた。

Ver. 3: 北アイルランド問題の風刺なんだ!なるほどな。勉強不足でした。もう一回観たい。

いい映画だったのかも。と同時にこれを観て何を感じるかは人間を篩にかけるな〜。怖。自分の本質はみんな仲良く社会主義なんだと自覚。まあ結局は社会情勢とのバランスだしいいっちゃいいか。ちょっと安心。
Taka

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