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やがて海へと届くのKtsuneのネタバレレビュー・内容・結末

やがて海へと届く(2022年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

親友や身近な人がいなくなった時、
喪失感を覚えるが、その人となりはどうだったのか?
その思いを巡らせる。

奥手な真奈、自由なすみれ、
お互いが惹かれる様に仲良くなり共に暮らすが、
自由だが実際何を考えているか見えない中、
彼氏と同棲し、旅先で震災に遭遇。
津波と共に消えてしまう。

真奈の喪失感は計り知れない。
周りは亡き者としてしまうことに納得できない。

すみれの残したビデオカメラ、
消えた旅先で彼女の足跡、
その地の人々の考えから、
分からないし完全に理解はしがたいが、
徐々に現実を受け止めようとしていく。

喪失からの再生の物語ではあるが、
どうにも抽象的で捉えどころがない。

岸井ゆきのさん、浜辺美波さんの好演は光るが、
120分超えで描く必要性を感じなかった。
状況描写が多いからか、話が腹落ちできなかったですし。

光石研さんが急に亡くなる展開は、
すみれが消えたこととオーバーラップするが、
必要性をあまり感じない。

また、後半にすみれの視点で、
真奈が見た風景を羅生門スタイルで
描き直す展開も必要だったのか疑問です。

主役2人以上にすみれが消えた
陸前高田を真奈が訪問した際に出会う
女子高生役の新谷ゆづみさんの存在感に震えました。
ビデオカメラに独白し自然と涙する演技、
その姿に震えた次第です。

それから、オープニングとラストのアニメーション表現もユニークでした。
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